
クリスマスや正月を祝わなくてもハロウィンは祝う!のに!!!のにぃいいいい!!!
というわけで、本当に本当に突発の小話です。小話過ぎます。みじか!みじかいよ!!
というわけで、本当に本当に突発の小話です。小話過ぎます。みじか!みじかいよ!!
「お菓子くれなきゃ、悪戯するよ!」
ジャックランタンの帽子を被った、まだ小学校も低学年だろう子供が突然横道から二人の前へと現れた。本物のカボチャをくり抜いて作ったのだろうか、大きなカボチャの帽子は少年——少女ではないだろう、と思う——は、くるぶしまで包むようなマントの前をしっかりと抑えて、しかし強請る様に片手だけはマントから差し出していた。
これも揃えているのだろうか、伸ばされた腕を包む長袖は落ち着いたオレンジだ。
「わ、何?」
「……ああ、そうか。そう言えばハロウィンか…」
驚いて目を瞬かせた亘は、落ち着いて呟いている美鶴の言葉に、ああ、と納得いった様に微笑った。
「そっか。そういえばもう十月も終わりだもんね」
「ほら!お菓子くれなきゃ悪戯するよっ!」
のどかな会話を交わす二人に、しびれを切らした様に催促する手が再び二人に突き出される。くすくすと笑うワタルは、背負っていた鞄を下ろして前に持ってくると、その中を探る。
「えっと………あ、あった。……はい、ごめんね、のど飴だけど…これしか持ってないや」
これでもいい?と自分よりも小さな手の中に飴を落とせば、小さな手は嬉し気にそれをぎゅっと握るとマントの中に手を引っ込める。
それを見ていた美鶴が、待て、とすぐに身を翻して走っていきそうな子供を引き止めた。
「俺は食わないから。…これも、やる」
子供の前に差し出されたのは、子供が被っているのと同じランタンの形をした、パンプキンクッキー。
「あれ?一組って今日家庭科で作ったの?」
「ああ。…味はあんまり保証しないが、塩と砂糖を間違えてはいないから、まぁ、期待せずに食べれば良い」
透明なビニールに包まれたそれを、やはり片腕だけマントから出して受け取った子供は、嬉し気に走り出した。
今度こそ留める間もなく角を曲がっていった子供の姿に、くすくすと笑いながら亘は美鶴を見た。
「いいの?アヤちゃんに上げるんで取っておいたんじゃないんだっけ?」
「アヤには、この前お前のをやったからいいだろ。…どう考えても、味はこっちの方が落ちるんだし」
子供のいたずらはなめてかかると痛い目を見ることも多いしな、と続ける美鶴にやはり亘は小さく笑う。
「…美鶴ってさ、なんだかんだ言っても優しいよねぇ?」
「何寝ぼけたこと言ってるんだ」
馬鹿なことを言うなと言いたげに冷たい視線を向けながら歩き出す美鶴に、小走りでその隣へと並びながら、やはり亘の顔から笑みは消えなかった。
居心地が悪そうに視線をそらす美鶴に、亘は歩きながらその顔を覗き込む様に見る。
「だって、飴だけでも嬉しそうにいっちゃいそうだったのに」
「………五月蝿い」
不機嫌きわまりない声だけれどもそれが照れ隠しだと分かる亘は、とうとう我慢できずに嬉しそうに顔をほころばせてしまう。まるで自分がそのクッキーをもらった様に。…それ以上のプレゼントをもらった様に。
「あのね、そんな美鶴が大好きだよ!」
「……そう言うことを公衆の場所で言わなくていい」
「わっ」
手荒く頭を押された亘が抗議の声を上げようとするけれども、それは喉の奥からでずに引っ込んでしまう。
……手で亘の頭を押しのける様にする美鶴の顔が、珍しく照れくさそうに少しだけ笑っていたのだ。
美鶴のそんな顔を見て、不機嫌な顔など保てるはずもない。やっぱり嬉しそうに笑う以外に出来ない亘は、鞄を背負い直しながら美鶴の隣を歩くのだった。
ジャックランタンの帽子を被った、まだ小学校も低学年だろう子供が突然横道から二人の前へと現れた。本物のカボチャをくり抜いて作ったのだろうか、大きなカボチャの帽子は少年——少女ではないだろう、と思う——は、くるぶしまで包むようなマントの前をしっかりと抑えて、しかし強請る様に片手だけはマントから差し出していた。
これも揃えているのだろうか、伸ばされた腕を包む長袖は落ち着いたオレンジだ。
「わ、何?」
「……ああ、そうか。そう言えばハロウィンか…」
驚いて目を瞬かせた亘は、落ち着いて呟いている美鶴の言葉に、ああ、と納得いった様に微笑った。
「そっか。そういえばもう十月も終わりだもんね」
「ほら!お菓子くれなきゃ悪戯するよっ!」
のどかな会話を交わす二人に、しびれを切らした様に催促する手が再び二人に突き出される。くすくすと笑うワタルは、背負っていた鞄を下ろして前に持ってくると、その中を探る。
「えっと………あ、あった。……はい、ごめんね、のど飴だけど…これしか持ってないや」
これでもいい?と自分よりも小さな手の中に飴を落とせば、小さな手は嬉し気にそれをぎゅっと握るとマントの中に手を引っ込める。
それを見ていた美鶴が、待て、とすぐに身を翻して走っていきそうな子供を引き止めた。
「俺は食わないから。…これも、やる」
子供の前に差し出されたのは、子供が被っているのと同じランタンの形をした、パンプキンクッキー。
「あれ?一組って今日家庭科で作ったの?」
「ああ。…味はあんまり保証しないが、塩と砂糖を間違えてはいないから、まぁ、期待せずに食べれば良い」
透明なビニールに包まれたそれを、やはり片腕だけマントから出して受け取った子供は、嬉し気に走り出した。
今度こそ留める間もなく角を曲がっていった子供の姿に、くすくすと笑いながら亘は美鶴を見た。
「いいの?アヤちゃんに上げるんで取っておいたんじゃないんだっけ?」
「アヤには、この前お前のをやったからいいだろ。…どう考えても、味はこっちの方が落ちるんだし」
子供のいたずらはなめてかかると痛い目を見ることも多いしな、と続ける美鶴にやはり亘は小さく笑う。
「…美鶴ってさ、なんだかんだ言っても優しいよねぇ?」
「何寝ぼけたこと言ってるんだ」
馬鹿なことを言うなと言いたげに冷たい視線を向けながら歩き出す美鶴に、小走りでその隣へと並びながら、やはり亘の顔から笑みは消えなかった。
居心地が悪そうに視線をそらす美鶴に、亘は歩きながらその顔を覗き込む様に見る。
「だって、飴だけでも嬉しそうにいっちゃいそうだったのに」
「………五月蝿い」
不機嫌きわまりない声だけれどもそれが照れ隠しだと分かる亘は、とうとう我慢できずに嬉しそうに顔をほころばせてしまう。まるで自分がそのクッキーをもらった様に。…それ以上のプレゼントをもらった様に。
「あのね、そんな美鶴が大好きだよ!」
「……そう言うことを公衆の場所で言わなくていい」
「わっ」
手荒く頭を押された亘が抗議の声を上げようとするけれども、それは喉の奥からでずに引っ込んでしまう。
……手で亘の頭を押しのける様にする美鶴の顔が、珍しく照れくさそうに少しだけ笑っていたのだ。
美鶴のそんな顔を見て、不機嫌な顔など保てるはずもない。やっぱり嬉しそうに笑う以外に出来ない亘は、鞄を背負い直しながら美鶴の隣を歩くのだった。
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